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ベーシックインカムについて考えた結果、ヒャッハーな世紀末状態になるという予想

裏サンデーで連載されている、『市場クロガネは稼ぎたい』。
 
私立学円園学園という、「学円」という独自の通貨をどれだけ稼いだかで評価される高校が舞台の漫画作品。
唯一の校訓は「成果に値する対価を」。
経済をテーマにした漫画です。
展開的には王道の少年漫画だけど、テーマが経済ということもあってなかなかに面白く読んでる。
というか裏サンデーの中で一番連載が楽しみな作品かも。
裏サンデーではケンガンアシュラとモブサイコも良いけれど。


裏サンデー | 市場クロガネは稼ぎたい

 

さて、今週の『その市場クロガネは稼ぎたい』ではベーシックインカムの話が出てきた。
 
ということで気になったので、ちょっとベーシックインカム(以下BI)についてネットで軽く調べながら考えてみた。
 
BIによって意識の違いによる2つのグループが出来る
 
BIの金額は月8万というのが主流らしい。
漫画内でも8万とされていた。
財源は累進課税を設けることらしい。
 
何もしなくても8万円もくれるなんて素晴らしいね。
 
それで劣悪な労働条件でも働かざるを得ない環境を廃し、最低限の生活を保証することで他の多様な活動をすることをできるように、という目的の制度らしい。
 
実際にそんな上手くいくかというと、絶対に無理。
 
生活の為に仕方なく過度な労働に縛られていた人はどうするか?
労働から開放されて、別の生産的な活動に従事するようになるか?
 
勉強でもボランティアでも趣味の活動でもなんでもいいけど、積極的に活動する人よりも、活動しない人の方が増えるんじゃないかな。
 
だって、制度が「何も活動しなくても大丈夫」って仕組みになってるんだから。
 
例えば、2人で住んでて地方に引っ越せば16万あったら十分生活できる。
1人でも大丈夫かも。
 
一切お金を稼がないという前提だけど、それでも今の世の中って退屈しないようになってる。
ネットがあれば一生かかっても消費しきれない量のコンテンツがある。
最低限の食事で、ずっと動画サイトとか見て、SNSで感想を言い合うみたいな生活も可能ってこと。
 
SNSが発達した世の中だと、同じ境遇の人同士が簡単に繋がれる。
 
「自分以外にも同じような人が沢山いる」って安心したら、その環境に甘んじてしまって、努力して何か生産的な活動なんてやらなくなってしまう。

 

もちろんそんな人ばかりじゃなくて、BIでの収入を元に活動をする人もいるでしょう。

 
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それぞれの割合がどれぐらいになるかは分からないけど、多分こんな風に分かれる。
実際には生産側と非生産側とその中立みたいな3つのグループになるだろうけど、極端にした方が考えやすいので2つのグループとして考える。
 
経済格差は小さくなるとしても、今度は新たな格差ができる。
意識の格差。
 
今だって、意識高い系と言われるような人は、そうじゃないと見なした人を下に見る傾向があるのに、制度までを意識高い人が生産し、そうじゃない人は消費するのみということになったら、本当に意識高い系の人が偉くなってしまう。
高い意識を持っててBIなんか無くても稼げる能力を持ってる人が、そうじゃない人の分までの税金等の負担をすることになる訳だから。
 
生産力が下がり、今と同じ便利さが保てない社会になると、確実に2つのグループは対立することになってしまう。
 
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多分こんな感じで。
 
同じ国に生まれ、同じ言葉を話し、同じ宗教を信じ(厳密にはいろんな宗教はあるけど、社会の中で育まれる考え方にはキリスト教とイスラム教ほどの違いはない)、そういう中で明らかになる、生きることへのスタンスとか価値観の違いによって生じる格差だから、ある意味宗教とか民族による対立よりも問題は大きいんじゃないかな。
 
BI導入によって起きるであろう問題
 
思い付いたものから書いてみると
 
・労働力の低下による、財・サービスの量・質の低下。
 具体的にはコンビニが21時までの営業になってしまうとか、陳列される商品が減るとか。 
・生産グループも、自分たちが興味のある活動しかしなくなる。
 介護とか接客とかの仕事の供給量の極端な低下。
 超高齢化社会なのに介護する人が減ったらどうするの?
・8万円で裕福な暮らしができる国への移住が加速。
 東南アジアとか中南米とか。
・日本国内でも、働かずに生活できるということを経験した人が贅沢をしたくなったとして素直に働くかな?
 ひったくりとか強盗とか空き巣とかの犯罪が増加するのでは?
・国内での2つのグループによる対立による混乱。
 
とりあえずこれぐらいが思いつく。
 
BIを推進してる人はこういうことが絶対に起きないって何か確固たる根拠があって思ってるのかな?
単に日本人はモラルが高いから大丈夫とか思ってるだけじゃないよね?
 
少なくとも、働かなくても食っていけるという、労働に対するモチベーションを著しく下げる制度ではあるので、生産力が下がり日本の国としての価値も下がってしまう。
おもてなしとか言っても、そもそものもてなす人や物が減ったり無くなったりするんだから。
 
富が高齢者に偏って、ヒャッハーなことに?
 
富の再分配も期待できないと思う。
より能力があり成果を出せる人が多くの税金を収めることで維持できる制度である以上、超高齢化社会でその負担をするのが誰かっていうと働き盛りの20代から50代の人達でしょ。
資産を持ってない若年層が負担して、一番資産を持ってる層に富を移動させることになってしまう。
これさ、現状経済的な格差が問題って言ってるのに、さらに若者から絞りとろうとするって話だよね。
 
上記の生産者と非生産者の対立ぐらいで済めばいいけど、誰かが、「あれ?年寄りがいなくなれば、俺らの負担ってもっと減るんじゃん?」って言い出したら、肉体的に優れてる若者による高齢者へのヒャッハーな世紀末状態になるんじゃないかな。
 
そもそも、これだけ穴がありそうな制度の是非について議論されてるっていうのがおかしいんじゃない?
是非もなく「あり得ない」一択でしょ。
 
これを推進しようとしてる人って、本当に頭がお花畑なのか、それとも別の意図があるのか、どうなんだろうね?
 
少なくとも僕の中では、今の日本では確実に国が崩壊するレベルの最悪の制度なんじゃないかなという結論に達しました。
 
『市場クロガネは稼ぎたい』が話をどう着地させるのか興味深いところです。
 
市場クロガネは稼ぎたい(1) (少年サンデーコミックス)

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