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ベイマックスを見てきて その1 今のままじゃ日本のアニメ業界は勝てない

アニメ

今更ですが、ベイマックスを見て思ったことを書こうと思います。

 
見てきたのは何週間か前ですが、他のことを書いてたら時間がとれず今更になってしまいました。
 
他の人も書いてるように、これ見たら今のままでは日本のアニメは勝てないと思わざるを得ない出来でした。
 
密度が全然違う
 
まず密度が高いです。
シナリオ的にも映像的にも。
 
シナリオ面ですが、物凄い量のストーリーをぶち込んでます。
 
主人公の紹介に始まり、大切な人との別れ、ヒーローグッズの作成、敵討ち等など、日本のTVシリーズアニメであれば2クール使ってもおかしくない量を2時間で見事にまとめています。
 
これだけの密度のストーリーでも、それぞれのキャラが立ってたり、見せ方が上手いせいで、何で今こうなってるの?みたいなことは一切ありませんでした。
観客にちゃんと伝わるかどうかを徹底的に突き詰めて作っているんでしょう。
 
次に映像面ですが、シナリオだけでなく、コンテやレイアウトも相当に練られています。
膨大な量のアイデアが随所に盛り込まれています。
 
世界観を説明する為の背景や小物。
キャラの性格を表すちょっとした仕草。
などなど、直接ストーリーに絡まないことであっても、それらの細部がしっかりと作りこまれているせいで、密度が高いストーリーでも、台詞が説明的にならずに、映像ですんなりと理解することができます。
 
まさに、細部に神は宿るというのを体現していました。
 
アクションシーンも各キャラの個性を活かしカッコよく気持ち良いものになっていました。
 
これはチームとしてアイデアを出しあい、何が面白いのか、何を見せたいのか等を徹底的に話し合い制作された結果だと思います。
 
日本の場合はシナリオはほぼ脚本家に丸投げです。
もちろん監督やプロデューサーや主要スタッフも企画会議やシナリオのブレストには加わりますが、実際にシナリオが書かれた後で、全員でそのシナリオについて意見を戦わせるというのはしていないはずです。
実際に見たことはないので断定はできませんが、そんなことをしているとは聞いたことがないので多分やってないはずです。
 
ベイマックスは、コンテやレイアウトの画面設計、実際のアニメーションの動きについても、みんなで意見しあってブラッシュアップしてると思われます。
 
方や日本のアニメは、アニメーターが書いたものを演出家がチェックして、作監が直して終了です。
彩色もした後で、どうしても気になる部分を直すぐらいです。
 
日本は全体的に属人性が強すぎる訳です。
 
AERAの11号でチームラボの猪子寿之さんが、個人の天才性より”チーム力”と仰っています。
 
これは完全にその通りだと思います。
 
今の日本のアニメはほぼ個人の寄せ集めで作ってると言っても過言ではないです。
だから監督のミスが、作品全体のミスになってしまう。
”チーム”として作っていて、末端のスタッフでも意見を言える環境があれば個人のミスはリカバリーされるはずですが、残念ながらそういう環境はないです。
 
実はチーム云々の前に、そもそも作品をブラッシュアップするような仕組みがないのが問題なんですけどね。
 
作品の根幹であるシナリオとコンテに関しては、少なくともVコンテにして、チェックしてブラッシュアップをすべきだと思うのですが、劇場作品ですらそんなことをやってるところはないと思います。
ジブリぐらいですね。
あと一部の作品ではやってるかも知れませんが、一般的ではないですね。
劇場公開の数ヶ月前にコンテが上がるみたいなこともある状況で、そんな時間のかかるチェックなんか出来ないんでしょうけれども。
 
ジブリなき今、世界で戦える作品を作れるの?
 
ジブリがアニメ制作部門を解散して、宮﨑駿も劇場作品としての次回作はほぼ無い中で、世界で評価されるような作品を日本のアニメ業界が作れるのでしょうか。
 
結局は宮﨑駿や高畑勲という個人の天才に頼っていた訳で、その天才がいなくなればどうしようもないということになってしまっています。
 
僕の好きだった今敏監督も亡くなっちゃいましたし。
細田守は好きだけど、ベイマックスとかと張れるかというと無理だと思う。
 
個人で戦おうとすると勝てないけど、でも実際個人個人の能力は決して劣っている訳ではないと思うので、チームとして戦うことができれば、日本のアニメだってもっと世界で売れるようになると僕は思います。 
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