ジブリの映画製作撤退ということについて思うこと
こういうニュースがありました。
まあ、当然の結果だよねという感じです。
僕の思う問題点がいくつかあるので順番にその理由を書いていきます。
■スタッフを有効に活用できていなかった
■後継者の育成に拘った
■チームとして制作する体制では無かった
スタッフを有効に活用できていなかった
ジブリはずっと赤字が続いていたそうです。
作品を作って、ヒットさせることで赤字を回収する方針だったそうです。
まあそれは良いです。
ジブリの作品ていうのは、シナリオやコンテに時間をかけて作っています。
それ自体は丁寧に作品を作るということで、悪いことではありません。
むしろ他のスタジオも見習うべき部分です。
原画を描くアニメーターはコンテが上がってくるまですることがありません。
アニメは上流工程を終えてからでないと次の工程の人はすることがないのです。
シナリオやコンテに時間をかけてる間、原画以降のセクションのスタッフは何をしてたのでしょうか。
ジブリのスタッフは社員で給料は固定で福利厚生もあります。
何も仕事をしていないスタッフに毎月給料を払ってるのです。
赤字になって当然です。
社内の仕事がない間は、他の会社から仕事を取ってもいいですし、単価が割りに合わないのであれば、元請けとして他の仕事をすれば良かったのです。
監督は外から呼んでも良い訳ですし。
ジブリのネームバリューがあれば、いかようにも仕事はとれたはずです。
アニメに限らず普通の会社は、如何にスタッフに時間をムダにすることなく仕事をさせるかということに腐心しています。
人という経営資源を有効に活用せずに、劇場作品なんていう博打で回収しようとするのは経営自体が間違っています。
もしかしたら、「制作費50億」とかの売り文句の為だけにあえて仕事をとらずにスタッフを遊ばせていたのかも知れませんが、それも普通におかしいので、結局は経営が間違ってるのです。
後継者の育成の拘った
宮﨑駿の後継者なんか出てくる訳が無いです。
他の人が真似できないからこそ、宮﨑駿作品には価値があるんでしょ。
そこを、アニメ制作の経験のない素人を起用したり、作画畑の人間を起用したり上手く行く訳がないです。
馬鹿なのか、むしろ宮﨑駿の仕事がそんな程度の人間でも務まる程度のものだと思ってたのか。
本気で後継者を育成する気があるなら、監督志望のスタッフに5分でも10分の作品でもいいからどんどん作らせれば良かった。
宮﨑駿と高畑勲がコンテ描いてるのを待ってる間に、空いてるスタッフはいるんだから、チャレンジさせることはできたはず。
それで何本か作っていくうちに、頭角を表す人だって出てくるでしょ。
それを販売して赤字の補填に充てることもできたと思う。
ジブリスタッフによる、習作的な詰め合わせ作品集であればみんな買うでしょ。
そんなこともせずに、素人監督にぶっつけ本番で作品作らせて、会社の赤字をそこに託すって、いったい何を考えていたのか。
チームとして制作する体制では無かった
日本のアニメの作り方って監督頼りなんだよね。
アナ雪やベイマックスなんか監督名知らないけど、作品は評価されている。
ジブリも宮さんの後継ができないのであれば、早めに見切りをつけてチームによる制作体制にシフトするとかの対策を打つべきだった。
別に、宮﨑駿作品と2ライン制にしても良い訳で。
原画なんかは誰がどういう風にコンテを描こうが、その指示に従って描くだけなので、シナリオコンテの部分での制作体制を変えても、その後の作業者には影響しないはず。
まあ会社の雰囲気的な問題は出てくるのかもですが。
結局スタジオジブリは宮﨑駿の個人スタジオ
だから宮﨑駿が引退したら、スタジオも解散という流れになるのは至極当然の話です。
ちなみに今は他のアニメ会社はジブリから流出するアニメーターをいかに引っ張ってこようかということしか考えていませんwww
せっかく、こういう分かりやすいアニメ業界の問題を象徴する出来事なんだから、そこから体制を見直す会社とか出てきてもいいもんだと思うのですが、どうんでしょうね。
もし斬新な制作手法を取ってるという会社があれば教えて下さいwww