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【アニメ業界改善案】コストの削減。まずは外回りから

アニメ業界改善案
前回、アニメ業界を改善する為には以下の3つの軸で考えると書きました。
 
■アニメ業界全体での売り上げを増やす
■費用を減らす
■労働時間を減らす(適正化)
 
今回はこの中で、費用の部分を考えていきます。
 
利益を増やす為にも、この費用をいかに減らすかということが大事です。
ところが、アニメ業界は非常に無駄とも思える費用が多く、その為一人あたりの給与額が下がっている部分があります。
 
その無駄の1つが外回りのコストです。
 

外回りとは? 

 
他スタジオや自宅で作業しているアニメーターのところに車や電車で、原画素材の受け渡しに行くことを指します。
SHIROBAKOでも、個人のアニメーターのところに車で原画の回収に行ってましたよね。
アレです。
 
日本のアニメの大半は、自社スタッフだけでなく、多くのフリーの社外アニメーターの手によって作られています。
だから、外回りをやる必要があるんですね。
 

外回りのコスト

 
さて、その外回りですが実は非常にコストがかかります。
 
SHIROBAKOでは制作進行が自ら外回りに行っていましたが、最近では外回り専属スタッフを雇う会社が増えてきています。
 
制作スケジュールが短くなって、1人ではとても全てのアニメーターを回れなくなり、専任スタッフを雇わざるを得なくなったという背景があります。
実はもう1つ大きな理由があるのですが、それは後で書きます。
 
仮に、外回りスタッフを20万円で2名雇ったとすると、年間で480万円のコストです。
駐車場代、ガソリン代等の維持費も考えると、年間で軽く600万円を超えます。
 
常にギリギリで資金繰りをやっている大半のアニメ会社からしたら、この額はかなりの負担です。
 
自社でスタッフを抱えるのではなく、バイク便等に外注している会社もありますが、こちらも恐らく自社で雇うのと同じ600万は超えているでしょう。
 
外回り専任スタッフや外注に出さず自分達で外回りをしている会社もあります。
SHIROBAKOの武蔵野アニメーションスタイルですね。
確かにこれだと、制作進行の給料に外回り費も込みになるので、費用は抑えられます。
ただ、当然ですが制作進行の勤務時間は長くなります。
亀戸、所沢、立川等バラバラの方向に行かなければならなくなった場合、かなりの時間がかかります。
 
制作進行の給料は大体16万~20万ぐらいが相場だと思います(もっと少ない会社もあるし多い会社もあるかも知れない)。進行管理業務の他に、外回りが増えてくると勤務時間は余裕で12時間を超えて、15時間や18時間になることも珍しくありません。
 
ここで、何でコストをかけてまで外回り専属スタッフを雇う会社が増えてるのかに繋がるのですが、上記のような勤務を続けて、睡眠不足で運転することで制作進行の事故が増えたからです。中小企業だったら良いですが(実際にはダメですが)、大手の資本が入った会社だと、グループ企業の社員が事故を起こすというのは大きな問題になります。
最近、大手テレビ局だったり、音楽レーベルだったり、パチンコ会社、ゲーム会社だったりの資本が入った会社が増えています。
その為、事故を起こさない体制を引くようになったということです。
 

外回り禁止案

 
ここで、普通の人は気付くと思いますが、何で外回りしなきゃならないの?ってことです。
 
僕も業界にいる時はそれが当たり前だと思ってましたけど、そもそも何でアニメーターは会社に来ずに自宅で作業してて、アニメ会社はそれを許してるのかってことです。
 
外回りコストがかかる理由は、自宅、他スタジオ作業のアニメーターがいることです。
当然、そんなアニメーターに仕事を出してる制作側にも責任があります。
 
アニメ業界は給料が安い、労働時間が長い。
確かにそれは事実でしょう。
だって、こんな無駄を垂れ流しにしてるんだから。
 
だからまず、アニメ業界を良くする為の方策として、僕はアニメーターの自宅作業・他社スタジオ作業禁止を提唱します。
 
作業スタジオの家賃や光熱費はかかりますが、それでも外回りのコストよりは安いはずです。
家賃20万のスタジオで光熱費5万だとしても25万円です。
アニメーターにも交通費の支給が必要になるでしょう。
それらを合わせても、自社スタジオで作業してもらうコストの方が安いでしょう。
 
仮に外回りのコストと自社スタジオ作業でのコストが変わらないとしても、制作が外回りに行かないで済む時間的なメリットはあります。
直接作業の進捗確認もできます。
 
実際、現在安定したクオリティを出しているアニメ制作会社の多くは、アニメーターの社員制だったり、自社スタジオでの作業を行っています。
京アニ、PAworks、ufotable、A-1pictures、ボンズあたりもかな。
 
いきなり1年とかスタジオに入ってもらうのは難しいと思うので、2週間とか1ヶ月とかから始めれば良いんじゃないでしょうか。
それで、アニメーター側と会社側のお互いが良いと思えば、もっと延長して中で作業するようにすれば良いと思います。
 
少なくとも、外回りという費用的にも時間的にも大きなコストが発生しているのに、それを削減しようとせずに、アニメ業界は大変だーとか言うのは自分たちの怠慢を叫んでいるのと同義だと思います。
 
という訳で、まずは自宅作業、他スタジオ作業を禁止にするところから始めてはどうでしょうか。