学校の教科書にしても良いと思うぐらい「システム思考」がオススメ
システム思考の本を読みました。正確には前にも読んでたものを読み返したんですが。
この本というか、システム思考の考え方は物凄く為になります。
これは全力で多くの人にオススメです!学校の教科書にしても良いぐらい。
システム思考って言っても聞き慣れないかと思いますが、数年前に流行った『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?』という本で扱われてた考え方っていうと分かる人もいるかと思います。
どうういうものかというのを簡単に『世界はシステムで動く』から抜粋します。
あらゆるものを「システム」として考え、分析するのが「システム思考」です。さまざまなシステムを分析することで、システム独自の特徴や性格、注意すべき点などを理解し、氷山の一角でしかない「出来事」レベルではなく、システムの「構造」やその奥底にある「メンタル・モデル」(意識・無意識の前提、思い込み)に働きかけることで、必要な変化をより効率的に作り出していくことができます。
この本を読んでから、いろんなことをシステム思考的に考えるようにしています。
今働いている会社が例に丁度良いので、システム思考の練習がてら紹介します。
システム思考の悪循環例
今の会社はサービス業で店舗ビジネスをやってる会社です。
店舗数を増やした分、売り上げは上がるので店舗数を増やそうとしています。
でもその為スタッフの数が慢性的に足りなくなっています。
人手の足りなさを解消する為、どんどん人を採用していますが、当然ベテランに比べ新人スタッフの割合は増えていきます。
サービス業なので習熟度の低い新人スタッフが多いと、サービスが低下し、評判の悪化、クレームの増加、最終的には客離れにつながります。
新人のフォローをベテラン組が行っているので、ベテラン組の労働時間等の負担が増えてしまっています。
集客の軸が割引になってしまってるので、客単価も上げづらい状況です。
客単価が上がらないので、スタッフへの給料ももちろん増やせません。
そういった労働環境を見てる新人も、負担が多いベテランも、ともに離職率が高いです。
という良い感じに悪循環に陥ってしまっています。
図にするとこんな感じ。
多分みんな問題があるというのは分かってるけど、こういうシステムになってしまってるから止まることが出来ないんですよね。
このシステムを止めると、確実に売り上げが急激に下がるので、売り上げが下がるよりは、このシステム上で細部をカイゼンしながら走り切ろうとしてるんだと思います。
でもそれって、無理をしながらシステムを回してるので、労力に比べて売り上げは増えないし、みんなが疲弊するだけで誰も幸せにならない。
どんだけ頑張ってても、会社の評判が悪いと世間から認知されてしまったら、働くスタッフのモチベーションも保てないでしょうし。それでいて給料も低い、会社の将来性もないとなると、そういうことを察することのできる優秀なスタッフから辞めていきます。
最終的には、会社が倒産か、そうでなくとも規模の縮小は免れないでしょう。
好循環にしてみた
これをシステム思考的に考えて、解決策を出すとすると、ポイントになってるのは「店舗数の増加」です。
店舗数を増やそうとしなければ、マイナスの循環が全てプラスに変わります。
図にするとこんな感じ。
好循環に変わりますよね。
ただこれは労働者側からみた図なので、株主側からしたら、店舗数を増やさないで1店舗ごとの売り上げの増加を増やすより、どんどん新店を増やした方が全体的な売り上げが増えるということであれば、店舗数を増やすという選択を取ることになると思います。
実際にはお客さんからの評判が上がるのには、数ヶ月以上の時間がかかるでしょうし、それに伴って計算した通り売り上げが増えるとも限らないですからね。
とは言え、システム思考を少しでも知ることで、自分の会社がどういう戦略を取ってるのか考える手がかりにはなりますし、それによっては転職等も視野に入ってくるかもしれません。
結論:システム思考を活用しよう
システム思考は、もちろん仕事だけでなく、普段の生活にも十分に活かせる考え方です。
ガッチャマンクラウズ的に言うなら、世界のアップデートに繋がるんじゃないかと思う訳です。
インサイトも悪くは無かったけど、やっぱクラウズは無印の方が良かったです。
システム思考本は「なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?」の方が読みやすいですが、もうちょい全体的に知るなら「世界はシステムで動く」の方がオススメです。ちなみに翻訳者は同じ。
世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質をつかむ考え方
- 作者: ドネラ・H・メドウズ,Donella H. Meadows,小田理一郎,枝廣淳子
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2015/01/24
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なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?―小さな力で大きく動かす!システム思考の上手な使い方
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