読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

日本のアニメ業界がブラックなのは、業界全体の問題だけじゃなく、個々人にも問題 

ブラックで名高いアニメ業界。
長時間労働、休みがない、給料も安いの考えられるほぼ全てのブラック企業の要件を恐らく満たしていますww
 
その理由の一つとして、アニメ業界自体の価値が低いからだということを前回書きました。
 
今回は業界全体ではなく、個人レベルでの理由について書いていきます。
 
 

アニメ業界 個人の価値は?

 
さて、この前、給料はその人の価値で決まるということを書きました。
 

cultivationjapan.hatenablog.com

アニメ業界も当然この原則は当てはまります。
 
アニメ業界では、新人の動画マンなら月1~6万ぐらいしか稼げないとされています。
6万でも稼げたら良い方です。というか最初からそれだけ稼げる人はほぼいません。
 
原画に上がっても良くて20万~30万というところです。
 
作画監督になっても大して変わりません。
むしろ拘束期間が増える分、原画マンより収入が下がる場合の方が多いぐらいです。
 
制作進行なんかは固定給ですが、定時がある訳でもないですし、休みの予定の日でも仕事が入ったら出社しなければいけなかったりで、時間で割るとGSの横島くんより安くなる場合さえあります。
 
何故そんなことになってしまうのか?
 
その理由は主に2つあります。
 

1. アニメは制作に必要な人数が多い

 
これまた単純な話で、アニメ制作には大量の人員が必要です。
エンドテロップに出てくるスタッフの人数を数えれば想像がつくと思います。
 
1作当たりの制作費を制作に必要な人数で割ると、どうしても一人頭の金額は安くなるということです。
 
制作進行も、テロップに出てくる半分以上のスタッフとその仕事を管理しなければいけないので、上手くやらないと全然仕事が終わらないということになってしまいます。
 

2. 個々人の能力の低さ

 
どっちかというと、こちらの理由の方が僕としてはメインかなと思います。
 
今のアニメは修正ありきで作ってるんですよね。
 
例えばレイアウト/ラフ原も、演出作監総作監ががっつり修正します。
というか修正しなくて良いレベルのアニメーターなんか今はほぼいないんじゃないですかね。
 
もちろん複数のアニメーターで分担して描いてるので、絵柄を統一する意味での作監は必要です。
キャラデの絵に合わせる総作監も。
 
演出も、演出意図に合わせた微調整の為に必要な役職です。
 
ただこれらの役職は使えないレベルの絵を使えるレベルに引き上げる為にあるんではないはずです。
 
「使えるレベルにする」為に演出や作監の貴重な時間の大半が使われているのが現状です。
 
一定以上のレベルの原画マンしかいなければ、ここの流れがスムーズに行き、クオリティも上がるはずです。
 
それが演出作監で時間を食いつぶし、背景動画仕上げ撮影で時間が取れず、ラッシュで大半のカットをリテイクにする。
 
当然リテイクになると、作業費が追加でかかる。
 
それでも放映最低限のクオリティなので、DVDでさらに追加で修正する。
 
また修正費用がかかる。
 
修正費だけで一本作るのと同じぐらい費用がかかることもあります。
 
2原に関しても、総作監の修正上がりがいつになるか明確には分からないので、そのカットを担当した本人に戻すことができず、やむなくそれほど上手くない人に発注ということが多々あります。
これも作監で直せば良いという考えです。
 
クオリティが低い
修正に時間がかかる
上手い人に出す時間が取れない
下手な人に出す
クオリティが低い
修正に時間がかかる
 
という悪循環の繰り返しなのです。
 
もちろん元々のスケジュールが悪いということはありますが、その悪いスケジュールを能力の低い制作やアニメーターがさらに食いつぶして、一部の能力のある人にしわ寄せが行ってるという状況がここ何年も続いています。
 
それでリテイクという無駄な作業にコストをかけて、みんなの収入が低い一因になってるのです。
 
作監は1話当たりでの単価です。
1話例えば30万円で受けて、総カット数が300カットの場合に、200カットがリテイクになったら、合計500カット修正しなければいけない訳です。
 
動画と仕上げも本来4000枚のところを、3000枚リテイクしたら、合計7000枚分の費用が発生します。
 
このリテイクを1000枚に抑えることができれば、2000枚で大体80万円ぐらいのコストカットになります。
 
浮いた分を他のスタッフに回すことだってできます。
 
一定以上のレベルの人には単価を上げる等の方策だって取れるはずです。
 
そうすることで、アニメーターも技術を上げることと、納期を守ることに対してインセンティブが働くようになります。
 
というか現状の、どれだけ下手くそで納期をぶっちぎっても、上手くて納期を守った人と単価が同じというのがおかしいのです。
 
制作進行だって、管理能力の高い人は基本給を上げる等して、能力のある人を呼び込めるようにすべきです。
 
つまり、個々の能力が高ければ、修正などという無駄な作業にかかるコストの大半はカットでき、その分を貢献しているスタッフに回すことが可能になるということです。
 
それで作画崩壊を回避し、逆に常に一定以上のクオリティ、少なくとも絵が変に崩れることが無いということができれば、アニメ全体の価値も多少は上がるんじゃないかと思います。