僕がレッドブルエアレースを面白く感じられなかった3つの理由

この土日、千葉でレッドブルエアレースが開催されました。

 

www.redbullairrace.com

電車で広告を見た時には面白そうだなと思ったものです。
 
時間的な余裕は無さそうだったので、観戦に行ってみるということは考えなかったのですが。
それでも、広告を見た限りでは空を舞台にしたハイスピードでのレースは非常に興味深そうなものでした。
 
日曜の夜、テレビでエアレースの模様を放送してたので見てみたんですが、思ってたより面白く感じられない…。
 
空のF1と言われる、世界最高の速度でのレース。面白くないはずは無いのに、何故かその面白さが伝わってこない。
 
選手を知ってる訳でも、レースについて調べて知識があるという訳でも無いので、当然かもしれませんが、それでも映像を一見して面白さが伝わってこないのは、イベントとして致命的では?
 
僕がエアレースの面白さを感じられなかった理由を考えてみたのですが、「魅力」が伝わってこないという一点に集約されるのではないかと思います。
 

速さが伝わってこない

 
レースの特性上、カメラがロングと車載(機載?)カメラからの映像しか無い。
 
テレビで見ても、ロングの映像しか無いんですよね。
 
それだと、イマイチ速さが分からないんです。
 
オートレースだったら路面をどれだけの速さで進んでるかっていうのが分かるじゃないですか?
それがエアレースは空だから目印になるようなポイントもないし、速度がわかりづらいんですよね。
 
上空を飛んでるジェット機を地上から見ると、ゆっくり動いてるように見えるっていうのに近いかな。
 
だから時速300kmとか言われても、へーそうなんだ、という感想しか出ないんですよね。
 
ちなみに僕らはその速度が速いのか遅いのかすら分からない。
 
車が時速300kmで走れば、日常的に車には乗ってる人も多いし、新幹線でそれぐらいの速度という知識もあるから、「凄い」「速い」という感想になるけど、飛行機的にはどうなのかっていうのが分からないんです。
 

パイロットの凄さが伝わってこない

 
大変な訓練をして、高い技術を持ってるということは想像がつきます。
 
技術はもちろん、強烈なGに耐えられるだけの肉体と精神力、さらに三次元的な空間把握、風向きなどの状況への適応等凄いんだろうけど、でもその凄さが伝わってこないんです。
 
だって日常で三次元的に空間を把握する必要がないから、その難易度がどれほどのものかっていうのが分からないんです。
 
Gは車を運転する時の何倍、何十倍っていうのだろうという想像はできるけど、何倍ですら体験したことがないので分からないです。
 
もちろん飛行技術も、セスナすら操縦したことがないので凄さが分からない。
 
多少でも自分で経験したことがないと、比較できないので凄さが分からないんですよね。
 

レースとしての面白さが伝わってこない

 
コレが最も致命的だと思うのですが、競技の特性上2機一緒に競うというのが出来ず、1機ずつ飛んでるのを見てもつまらなかったです。
 
やっぱりレースといえば、追い越し追い越されというのを手に汗握って見るのが醍醐味だと思うんです。
誰が見ても分かりやすいし。
 
でもエアレースは一機ずつのフライトです。航空機は少しでも触れると大事故に繋がるので当たり前ですが。
 
でもそれだとレースとしての面白さは半減してしまいます。
詳しい人が見たら面白いのかも知れないけれど、知識が無い人がチラッと見ても面白いとは感じられない。
 
しかも上でも書いたように、フライトしているシーンを見ても速さも凄さも伝わってこないですし。
 
もう少し、面白く見せる工夫ってあると思うんですよね。
 

ポテンシャルはあるのにもったいない

 
これ、見た人本当に楽しめたんでしょうか?
 
モーターレースと違って間近で見られるとか、エンジン音の臨場感とかって無さそうですが。
 
日本で初だし、他にめぼしいイベントもないから行ってみようって、お祭り気分で行った人が大半だと思うのですが、仮に来年も日本で開催するとして、今回観戦した人がもう一度見たいと思うのかは疑問です。
 
ドローンが普及してきて、これからはなにかと「空」が舞台になることが増えてくると思います。
 
そういう背景を考えるとこのエアレースは今後ますます注目されることと思います。
 
それだけに今回のエアレースの運営は非常にもったいない感じがします。
 
もっと、一般の人に「伝える」ような仕掛けを作ってれば良かったんじゃないかと思います。
 
例えば、映像では先にフライトした方をゴーストの用に表示して、後からフライトする方がゴーストと競ってるように見えるようにするとか。
 
Oculus Rift的なヘッドギアを一般人に装着させて、ゲームでも良いので、3次元的な空間認識の難しさを示して、パイロットがいかに凄いかをアピールするとか。
 
Gの体験コーナーとかも作るとか。会場に設置するのが難しければ、せめて訓練していない一般人が後部座席とかに乗って、耐えるのがいかに大変かの映像を流すとか。
 
ただ、この飛行機は凄いんだぞ、パイロットの技術は凄いんだぞ、とレースをしても開催者の一人よがりになっていて見ている方がついていけてないような気がしました。
 
ただでさえ、車やバイクと違って、日常的に接する乗り物ではないんだから。
 
いくら歴史の浅いレースとは言え、と言うかむしろ歴史の浅いレースだからこそ、もっと魅力を知ってもらうように工夫が必要なんじゃないでしょうか?
 
せっかく高いポテンシャルを持ってそうなイベントなんだから、それが上手く伝わってこないっていうのはもったいない話です。
 
10年後とかにもう一回日本で開催となったら、その時はまた時代が変わってて、多くの人が楽しめるようになってるかも知れないですけどね。